2023年9月29日に、日本英語検定協会は英検の「準2級」と「2級」の間に新たな級を新設すると発表しました。
今回は、その新設される新たな級についての情報となります。
31年ぶりに導入される新たな級とは?
中学教科書の改訂により、高校教科書で学習する単語や文法が中学教科書に追加されましたが、英検®では長年変更がありませんでした。
しかし、31年ぶりに日本英語検定協会は新たな級を導入することを発表しています。
その背景にはどのような理由があるのでしょうか。
準 2 級と 2 級のギャップを埋めるため
英検®では、各級の推奨目安を以下のように設定しています。
級の種類 | 推奨目安 |
3級 | 中学卒業程度 |
準2級 | 高校中級程度 |
2級 | 高校卒業程度 |
準1級 | 大学中級程度 |
1級 | 大学上級程度 |
英検®はこれまで、高校1年生で準2級、高校卒業時に2級の取得を目標として推奨レベルを設定してきました。
しかし、日本英語検定協会が英検®の受験者データを分析したところ、5級~準2級までの合格者が、各級の合格に要した平均期間は6.8〜13.6か月だったが、準2級から2級までは約18か月かかっていたことが分かりました。
各級 | 合格までに要した期間 |
5級~4級 | 6.8か月 |
4級~3級 | 8.8カ月 |
3級~準2級 | 13.6か月 |
準2級~2級 | 約18カ月 |
上記の結果に加え、教諭や生徒から「準2級と2級の間には、高い壁がある」といった声が寄せられていたことも新たな級の導入の決め手になったようです。
英検準2級と英検2級は別物。その「壁」は大きい。英検2級は応用。論理的思考力や、自ら考えて「実践的に英語を使う力」を求めている。
英検準2級を一発で通った後、2級合格するまでに2回落ちて、3回目でやっと受かった。2級は全然別物。準2級は3級に近いレベルなのかもしれない。
より受検しやすい英検®を目指すため
日本英語検定協会は、上記の導入背景に加えて、以下の目標も掲げています。
上記の目標の設定には、やはり教諭や生徒からの声の影響が大きかったようです。
2級取得には、生徒が能動的な学習者になることが重要。そのために英検2級までのゴールイメージ、目標設定が必要。それがモチベーション維持に繋がる。
2級の単語レベルは、準2級までとは段違い。
生徒たちが学んできた成果を段階ごとにしっかり評価し、生徒たちの小さな成功体験を積み重ね、継続的な学びにつなげていきたい。
CEFRをより意識したため
英検®では、CEFR(セファール)に対応した「英検CSEスコア」を導入しています。
受験結果に表示されているスコアを確認することで、自分の英語力を世界基準のCEFRで知ることができました。今回新設される新たな級は、受検者がより確実に CEFR の「Independent User」 に近づきつつあることを証明し、学習者の意欲や自信を高めることを目標としています。
CEFRでは、4技能を6段階(A1、A2、B1、B2、C1、C2)で評価しています。
A1から順に評価が上がっていきます。
英検®では、CEFRに対応した「英検CSEスコア」を2016年から導入しています。
各級には、合格基準となる英検CSEスコアが定められており、英検の合否は基準を超えれば「合格」、下回れば「不合格」に変更されました。
従来の英検®と比べ、英検®を受検することによって、自分の英語力がCEFRレベルで分かるようになりました。
英検®の各級 | CEFRの算出範囲 |
英検®3級 | A1 |
英検®準2級 | A1~A2 |
英検®2級 | A2~B1 |
英検®準1級 | B1~B2 |
英検1級 | B2~C1 |
日本英語検定協会は、準2級から2級合格までに約18カ月かかっていたことを考慮し、間に新たな級を新設することによって、学習者の意欲や自信を高めるようとしています。
新たな級の情報は?
2023年9月29日の発表では、以上の情報がすべてとなり詳細はありませんでしたので、また詳細が分かり次第随時記事内容をアップデートしていきます。